■ 小布施栗は、室町時代、荻野常倫が、旧領であった丹波(京都)の栗の苗木を取り寄せて植林したのが始まりとされている。。常倫は、酸性土で農作物に不向きな土壌も、栗の生育には好都合であることに着目した。江戸時代には幕府の直轄領となり、厳選された「献上栗」が将軍家に上納されるようになり、栗菓子も盛んに作られるようになった。菜種油や綿布の生産で財をなした豪農、豪商たちが、葛飾北斎などの文化人を招き、栗菓子でもてなしたことも需要を増やし、以来、小布施の強力な地場産業として定着した。
■ 北斎館の開館を契機とした小布施のまちづくりは、栗菓子や町内に残る数々の文化遺産などを有機的に結びつけ、見る・食べる・学ぶといった要素を満たし栗菓子産業の成長とともに町の活性化へとつながってきている。 まちは、古い民家が多く現存し、茅葺き屋根の民家の前にモダンな町かど広場がある。 栗の木煉瓦を敷きつめた歩道がネットワークされ、街路樹にも栗の木の下があり、暖かいムードを醸し出している。
■小布施には多くの美術館・博物館が存在する。 主なものは、 北斎館、中島千波館、高井鴻山記念館などで、他にもおぶせ中国美術館、日本のあかり博物館、栗の木美術館(写真右)、 岩松苑、ガラスギャラリーなどがある。 また、 町内は、オープンガーデンが開催され 常時100世帯位のお庭が公開されている。 駐車場やレンタルサイクル・観光ガイドも充実しており、おもてなしの心を感じる。