松阪を代表する人物と言えば、 35 年の歳月を掛け「古事記伝」を執筆した偉大な国学者“本居宣長”が挙げられる。宣長は、木綿問屋小津家に生まれ、 22 歳で家業を継ぐが、 1752 年に上京、堀景山に儒学を学ぶ。 1757 年松阪に帰郷して医業を開業。 63 年賀茂真淵の門人となり賀茂真淵の古道学を継承して国学を大成させた。本居宣長の旧宅「鈴屋」は現在松阪城跡内に移築し公開されている (写真5) 。三井グループの創始者で後の三越である「越後屋」を江戸で開業した“三井高利”も松阪の人である。彼は今では常識である「店頭販売」や「現金掛け値なし」のビジネスモデルを開発し大成功を納めた。 |
日本を代表する映画監督、“小津安二郎”の家は財閥の三井家と並び松阪を代表する商家だった。小津の本拠″は首都圏。しかし小津映画の原点には三重県飯高町の宮前尋常高等小の代用教員時代の暮らしや経験が影響しているという。「早春」「秋刀魚の味」「小早川家の人々」など代表作を上映する「小津安二郎青春館」がある (写真6) 。小津映画は、何気ない家庭生活の中に、温かさ、人間臭さなど、私たちが忘れかけている郷愁・哀愁・家族愛などを思い起こしてくれる。 |