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杵築市は、国東半島の南の入口に位置し、北を国東半島の山々に囲まれ、東は別府湾にのぞむ古くから佛教文化の栄えた町である。市のほぼ中央部、八坂川と高山川に挟まれた東西ほぼ2q、南北1qの範囲に、旧松平藩3万2千石の城下町がある。
杵築は、各所から我が まち を眺望できる坂のある城下町である。坂により分節されたこの町は、坂によって景観にメリハリをつけられ、立体的景観をもつ歴史的な町といえる。北台と南台の小高い尾根に展開した武家屋敷 町 と、尾根に挟まれた谷筋の新町、仲町、谷町の商家 町 、さらには南台の南斜面の寺町には藩主松平氏菩提寺の養徳寺、長昌寺 等の 寺 町と明確にゾーニングされている 。
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これらをつなぐ重要な位置に勘定場の坂、酢屋の坂、飴屋の坂、志保屋の坂など、昔の名残をとどめた坂が、名前の付いているものだけで2 0ほどもある。
北台の勘定場の坂を大手前方向から上り、今は杵築小学校の裏門として使われている旧藩校学習館の門を左に折れて、酢屋の坂を下りはじ める角地に大原邸がある。この武家屋敷は、杵築藩家老を努めた大原家の屋敷で、茅葺きの堂々たる屋根と桁行8,5間の長屋門をもつ風格の ある建物であり回遊式庭園も修復されている。
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志保屋の坂から右に折れると、南台の武家屋敷である。谷町を挟んで北台の反対側に位置するのが南台。石垣の上の土塀、長屋門に通じる石 段など格式の高い家並みが続き落ちついた佇まいである。
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景観を近景、中景、遠景と区分するならば、杵築の町は商家や武家屋敷の街路沿いに展開する落ちついた近景と、町の各所に見られる坂を望 む、躍動感にあふれる中景、そして、坂の途中や高台など市内のいたる所から遠望できる杵築城天守閣の シークエンスが 遠景景観 となって 、 この町を一層魅力的にしている。
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杵築は 城に向かって放射状に造られた
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