門は家の格式により、薬医門、腕木門、塀重門が建てられ、その門に続く板塀には、格子付きののぞき窓がついていた。この窓を武者のぞきと称し、内側には、すだれを取り付けたものもあった。黒い板塀は、歴史的町なみ、日本建築と調和し、さらにモダンな色彩でもある。高さ1.5m位の直線的な板塀は、自然樹林帯の中に一本の人工的、幾何学的なランイを加えこの素材感、控え目な寸法、そして色彩は自然の一部として人がくらしを営むつつましやかな姿勢を表しているようでもある |
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そして、黒い板塀に、ピンクの桜が垂れ下がった時、赤い蛇の目の和傘が開いた時、黄や白、色とりどりのレンタルサイクルに乗った、外国人観光客が通りすぎた時、笠木に白い雪がこんもりと積もった時、町はアートとなり、伝統的町なみが、現代的デザインともなり、本物の良さ、伝統の良さを教えてくれる。 |