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世界文化遺産の村相倉/菅沼

  交 通  車 東海・北陸自動道 福光ICより、56号線40分
       JR 北陸本線、高岡駅よりバスで2時間。
         所在地  富山県 南砺市菅沼および富山県 南砺市 相倉

平成7年12月、世界遺産委員会は、富山県と岐阜県の三カ所の茅葺き民家建築群を、世界文化遺産一覧リストに登録することを決議した。民家集落の登録はアジアで初めてである。平村はその昔、木曽義仲の軍に“くりから峠”で破れた。平家の人々が落ちた処からこの名称となったといわれている。現在も伝承されいてる民謡の宝庫で、中でも“平家まつり麦屋踊り”は、秋の収穫祭りとして有名である。相倉地区には、白山連峰から続く峰々に抱かれた深い山間のブナの林の中にひっそりと建ち並ぶ合掌づくりの家々がある。合掌はその名の通り、左右の掌を合わせている形に似ているからこの名称となったといわれている。厳しい自然の中に平穏な生活を、祈るような人々の気持ちが込められているのであろうか。

それでいて天に向かって堂々と自らの存在を、大きな茅葺き屋根は、ただひたむきに主張しているようでもある。茅葺き屋根の家は、外見上は3階建てのように見えるが、実は平家建てである。屋根裏をアマ・ソラアマといって、二層、三層に養蚕飼育の場所として活用している。屋根裏には一本の束柱もないが強風や豪雪に耐える。長い経験が厳しい自然とくらしに合致する家の構造をあみ出した。まさに日本の誇る世界の文化遺産である。
ドイツの建築家ブルーノ・タウト氏は合掌集落を訪れ、その構造を詳細に調査、分折し、著書「日本美の再発見」に「理論的であり日本独特のもので、屋根の三角結合や巨大な筋違い材によって、耐風耐震に強化されている…」と記されている。
特に注目すべき工法は、「ハネガイ」「チョンナバリ」「棟木」にある。 「ハネガイ」は、筋違いを弓なりに曲げて入れることで、復元しようとする仕掛けである。このことは外力に対し、事前に反発する力を内存させる工夫である。「チョンナバリ」は、傾斜地で成長し積雪のため、下部が曲がった太い広葉樹を用いた梁材である。端部が柱の軸方向に向かっていることで、水平梁に比べ曲げモーメントは小さくなる。さらに合掌造りは大型建築であり、棟高が高く風圧を受け易いチョンナバリを使用すれば、棟高を低くおさえることができる。なお、この合掌集落のもうひとつの魅力は、現に人が生活を続けているところである。この村で入手出来る素材で造られ、自然と共に人も住まいも生き続けるところに根源的な美しさがある。

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